先日、長女のあい子(5歳)の幼稚園で参観日でした。
母は参観しに幼稚園へ、あいつはあい彦(1歳)を見るため有給を取りました。
しかし、毎度のことながら平日の休みは休んだ気にならない。
仕方のないことなんだけど、鳴るんです。
電話が。
緊急時の人は何度も鳴らすよね
今回も早速、幼稚園に妻を送る直前に電話が鳴る。
正直、一度無視したけど鳴り止まない。
現在工事中の現場の鳶職(とびしょく)の社長からだ。
休みって分かってるのに何度も鳴らすってことは何かあったのかな。
タイミング悪いなぁ…と思いつつ電話をとる。
いつもは用件を手短に済まして切るんだけど
相手の開口一番、あいつの背筋がピリつく。
あ「もしもし」
鳶「労基署、来たぞ」
あ「え」
鳶「今、あいつさんとこにも電話いくよ」
最悪も最悪、工事現場に労基署が来るのは避けられません。
しかし作業所長が不在だと何か問題があっても言い訳のしようがなく、法令違反の切符をきられる可能性が跳ね上がる。
彼ら労働基準監督官は
厚労省所属、司法警察職員だ。
逆らうことなど許されない
間もなく電話が鳴る。
労「もしもし、あいつさんですか」
あ「あ…もしもし、はい、あいつです」
労「あいつさんが所長されている工事現場に臨検(調査)にきましたが、不在でしたか?」
あ「はい。申し訳ありません、午後には戻る予定です」
妻「行くよ〜」
労「代理の方はいませんか?」
あ「申し訳ありません、居りません」
妻「ねぇ!いつまで電話してるの!!間に合わないよ!!!」
労「そうですか…不在のところ申し訳ないのですが、現場内の巡回させていただいても問題ないでしょうか」
あ「あ、できれば帰ってもらって、後日でもいいですか?」
自分がいないからって帰ってもらおうなんて。
不在ってだけでもご法度なのに、こんなナメたこと言う所長もあまりいないでしょう。
上司に聞かれていたらビンタされていたかも。
妻の怒り声も聞こえていたでしょう。
結局、あいつの上司が駆けつけて対応してくれたけど、監督官からは鳶職の危険予知(KY)活動が甘い、と言う事で指導票なるものを切られてしまった模様。
一応、出勤後に出頭
不在を詫びる挨拶と指導票と労働災害防止資料というものを受け取りに出勤後に労基署へ出頭。
労基署が来ただけで事細かに報告書も作らなきゃだし、彼らが来るだけで一時的に社内はお祭り状態。
休みであろうと気は抜けないものです。
はい、唐突ですが百人一首に最近お熱なあいつからここで一句。
百人一首の歌番号83番。
「世の中よ道こそなけれ思ひ入る 山の奥にも鹿ぞ鳴くなる」
千載集 皇太后宮大夫俊成
世の中には悲しみやつらさから逃れられる道はないのだ。
世間からずっと離れた山奥で鹿も悲しげに鳴いている。
という意味みたいです。
つらかろうがなんだろうが受け入れて前に進みましょう。
ってことかなと、この句を受け止めました。
どう、仏っぽいでしょ。
おしま〜い。