佳代

この曲聴くと思い出す…っていう思い出話、あるよね。

GOING STEADYの「佳代」にはちょっと思い入れが。
高校生の頃のお話です。

このお話の相手の子とは、20年経つ今も、何年かに一回くらい連絡を取るような関係。
関係性を壊すほどの深入りをせず、糸が切れないようになんとなく。

それでも、安心して心を預けられる。
結構貴重な、大切なお友達。

出会いは、ネット。

私は女子高通いだったから、普通に生活してるだけだと出会いが皆無だった。

みんな工夫を凝らして出会いを作ってたんだけど、その中の一つがちょっとアウトローで。

今でこそ「マッチングアプリ」とか、ネットでの出会いにある程度市民権が与えらているけど、当時は「犯罪の温床」みたいなイメージ。

…何を隠そう、出会いを求める人が集まる掲示板?で遊ぶのが友達の間で流行ってたの。

「出会い系サイト」と言って差し支えない。

メールアドレスとメッセージを載せておくと、じゃんじゃん連絡が入る仕組み。
一晩で100通とか平気で送られてくる。

9割いかがわしい内容でスルー。
でも中気になるメッセージがちょこちょこ入るから、そういう人とだけやりとりする。

もちろん、掲示板に載せるのは仮のアドレス。
今みたいにフリーアドレスを簡単に取得できなかったから、夜中にこっそり仮アドレスに変更して投稿。
翌朝に元に戻して、気になった人にだけ本当のアドレスを教えるっていう方法で遊んでた。

真剣な出会い探しではなくて、刺激的な遊び。
実際何回か危ない目にも合ったし、今考えると犯罪被害者一歩手前よな?って思うことも。

無知って本当怖いよね。

「滅多にしない」の掛け算

その「出会い系サイト」は、あくまでも投稿してリアクションを楽しむだけの利用。
だけどその日は滅多にしない、ほかの人の投稿の閲覧をしてた。

ここも9割がいかがわしい内容。
その中に一件だけ気になる投稿があった。

「好きな人に振られたのでなぐさめて~」

私も、その時付き合ってた(クソみたいな)人と別れたばかりで荒れてたから、メッセージを送ってみた。

自分から投稿にメッセージを送ったことなんてなかったからちょっと緊張した。

返信はすぐにきて、想像以上に会話が弾む。

投稿の詳細は、入学当時から好きだった子に告白して、振られちゃったって話だった。

もう一回告白するってどう思う?
とか。
これからどう接していけばいいと思う?
とか。

はじめは悩み相談。
正直その時は、彼の失恋話にあまり興味がなかった。

やりとりにちょこちょこ、個人情報のラリーも交じり始める。

住んでいるのは隣の市。
たまたまだけど、同い年だった。

後で聞いたんだけど、彼、それまでメッセージの投稿したことなんてなかったんだって。

お互いに滅多にしないことをした結果、たまたま繋がることができた関係だった。

それからなんとなーく毎日メールのやり取りをするようになって。
お互いのことをもっと知りたくて、電話をしてみることにした。

電話は家電で。そういう時代。

今みたいに、LINEとか無料で話せるツールがなかったから、電話をするとしたら携帯電話か、家の電話。
携帯料金を考えたら当然「家の電話にしよう」ってなって。
メールでタイミングを調整して、実家に電話をかける。

お互いの部活のこととか学校での出来事、家族の事までとにかく話が止まらない。

30分くらいで交代して掛け合いながら、結局子機の充電切れを起こす始末。

一週間に何回かそんなおしゃべりを繰り返して、当然思うことは一つ。

会ってみたい。

写真すら見せあったこともないし「がっかりするよ?」なんて言いながら、次の部活の休みに会うことにした。

電車で3駅、コンビニで待ち合わせ

部活が休みの日。多分5月ごろかな。
たしか午後2時くらいの電車で彼の家の最寄り駅まで行った。

その日初めてその駅で降りたんだけど

「何もないよ?」

の言葉通り、本当に何もなかった。
駅を出てすぐ、まばらな住宅街。
まっすぐ進むとぽつんとコンビニがある。

コンビニの前で待っていると、真っ黒に日焼けした男の子が自転車に乗って来た。

あまり目を合わせてくれない。
感じが悪いわけではなくて、めっちゃ照れてるってことだけはすごくよくわかった。

どこへ行くとかも特に決めていなくて、近所の公園のベンチでただただ話した。

夕暮れを待った理由

話が尽きたり、退屈になる場面はなくて、時間が経つのは早かった。

だけど、お互いずーっとそわそわしてた。

電話だったか、メールだったかは覚えていないんだけど、約束したの。

会ったらひざ枕をしてあげるよって。

「好きな人に何してもらうのが嬉しい?」みたいな話をしたときに
食い気味で「ひざ枕!」っていう回答が。

そのあとどういう流れだったか忘れたんだけど、
「してあげようか?」
って言ったらすっごく喜んでて笑

別にひざ枕にはさほど抵抗なかったんだけど、場所が場所だし、向こうがずーっとそわそわしてるから私まで緊張した。

薄暗くなってきて、公園遊びをしていた親子や小学生も居なくなった頃、ブランコでゆらゆら遊んでいた彼が、ベンチに戻ってきた。

してほしくて戻ってきたはずなのに、じれったいくらい自分からは言い出さないから
「(ひざ枕)する?」
って私から聞いた。

無言でベンチに足を投げ出して、恐る恐る、ひざに頭を乗せる。
顔は見えなかった。

私は手持無沙汰で、少し悩みながらくせ毛を撫でてた。

すっかり暗くなるまで、顔を合わせないで喋ってたんだけど、その日は次の電車の時間に合わせて帰ることにした。

お互い、名残惜しさは感じてたと思う。
でもその日はいったんお別れ。

試しに付き合ってみる?

彼にとって、本命は振った彼女。

それでも、私のことも気になる~って言ってもらえて。
当時はそれだけでもうれしかった。

…っていうとなんだか可哀そうな二番手の女感が出る?
でも付き合っちゃえばこっちのものじゃない?って甘く考えてた節があって。

だから
「試しに付き合ってみようか」みたいな感じで「仮のお付き合い」に持ち込んだ。

と言っても、頻繁に会える距離でもないし、お互いほどほどに忙しい。
メールと電話をするぐらいで、特に大きな関係の変化はなかった。

でも3回目のデートで、忘れられない経験をすることになった。

その話は、長くなるからまた今度。

つづきはまた今度

ずっと下書きに書いて放置してた記事をやっと公開。
交換日記、やっぱとめちゃう。

でも不思議とやめたくはないんだよね。
みんなの記事も楽しみにしてる。

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Author Profile

雑記ブロガー×駆出しライター。 幼児の男女双子に振り回されながら日々をなんとか過ごしています。 頑張りすぎず結果を出すことが目標。 でも頑張りすぎてしまいがち。 自称職業メンヘラ。Twitterでは愛を込めたキツめのリプをお送りします。 ここではオフモードの発信を意識しています。